【考察】AU75型冷房装置【実車編】

◆説明◆
国鉄〜JR初期にかけて通勤型/近郊型電車に幅広く搭載された集中型冷房装置。 冷房能力は42000Kcal/h。車体の屋根ほぼ中央にのっているかまぼこ形断面の装置がそれ。

◆搭載車種◆
・通勤型
  101系(改造) 103系(改造・新製) 105系(改造) 201系 203系 205系 207系900番台
・近郊型
  113系(改造・新製) 115系(改造・新製) 117系 119系(改造) 123系(改造) 211系 403系(改造) 415系(改造・新製) 417系(改造) 423系(改造)
・特急型
  185系

◆分類◆
搭載車輌形式・製造時期によって以下のタイプが存在する。

X型:試作タイプ。AU73X、AU74Xとともに103系冷房試作車に搭載され比較検討された。量産型と形状が異なる。

A型:元祖AU75型。ごく初期の量産冷房車に搭載されたタイプ。 おそらく101系初期冷改車もこれを搭載していたのではないかと推測される(実際に確認したわけでは無いのであくまで推測)。

B型:103系・113系等に搭載されるA型の改良型。ロールフィルタが内蔵されたらしい。A型と互換性がある。415系と201系試作車もこれを搭載する。

C型:115系・185系等に搭載される。B型との違いは不明。

D型:201系量産初期車に搭載されるタイプ。B・C型からさらに改良されているらしい。

E型:圧縮機と熱交換機の能力が向上し省エネルギーとなった改良型。キセがステンレス製となった。103系等に搭載されB型と互換性がある。

F型:同上。113系・115系等に搭載されC型と互換性がある。E型との違いは不明。

G型:201系4次車以降の国鉄通勤型と211系列等が搭載する。おそらくE・F型と同等。D型と互換性があるが、D型は201系以外は搭載しない。

G2型:G型の改良型なのだろうか?

◆メーカ
メーカは3社あり、三菱製(アルファベット表記M)日立製(H)東芝製(S)で上の型のアルファベットの後に続けて表記する(例:AU75BM =B型三菱製)。 キセが鋼製のA〜D型はメーカごとの外見差が大きい。

三菱製:M


フック穴が3つ、ファン部はメッシュのみ、肩部のルーバーが3列、取り付け足上部は水平に近い。

日立製:H


フック穴が3つ、ファン部が四角い、肩部のルーバーが2列、取り付け足上部が斜めで本体肩部と面一。
旧型はフック穴が大型である。現存するものは少ない。

東芝製:S


フック穴2つ、ファン部は丸くメッシュに骨が縦1本横2本はいる、肩部の開口が大きい、取り付け足は角に面取りがある。

◆E〜G・G2型◆
後期に製造されたB〜Dの改良型。キセがステンレス無塗装になったのが一番の特徴である。 これもキセの形状に差異があるが、メーカによるものではない模様。おそらく製造時期によるものだと思われる。ここでは便宜上α・β・γとする。

α


ファン部がメッシュ。下から見上げるとβとの差がわからない。ステンレスキセの中で一番多いタイプ。

β


ファン部がパンチング。下から見上げるとαとの差がわからない。

γ


ファン部及び肩部の穴がパンチング。α・βと容易に見分けられる。

◆側面◆


上からDM・DH・DS・G。中央にアルファベット表記があり容易に判別できる。G型は線区により表記があるものと無いものがある。

◆西日本◆

JR西日本のAU75型には、グレーのキセながら中央部の蓋のみステンレス無塗装のものに交換したものが多く存在する。このステンレス蓋はクレーンフック穴が片側二つである。

通勤・近郊型の屋根上で一番目立つパーツといっても過言ではない冷房装置。実物を調べて模型で差を再現してみるのもおもしろいと思います。

もし何か間違い・情報などございましたらお気軽にメール下さい。

【模型編】も併せてご覧下さい。

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2006.08.24更新 西多摩車両工場

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